未来
小さいころ、医者になろうと思っていた。
おばあちゃんに将来おばあちゃんの身体を治してねと言われていたから。
何もしなくてもそれなりに成績の良かった自分は将来医者になれると思っていた。
何かしないと成績が悪くなってしまいだす頃にその未来予想図は破って放り投げた。
お菓子屋さんになりたかったりお花屋さんになりたかったりパン屋さんになりたかったりした。声優さんや漫画家さんになりたい時もあった。
また夢を放り投げたこともあったけれどアルバイトという形で叶えた夢もあった。
アルバイトで十分やりきったなと思うものもあったし自営業の閉塞感に耐えられなくなったところもあった。
小学生の頃から私はずっと大人になりたくて、なんの職業につきたいとかどんなことをしてお金を稼ぎたいとか世間に貢献したいとか全く考えていなかった。早く大人になりたかった。周りの大人に憧れていた。自分だけの生活にも憧れていた。
趣味もあったから自分で好きに使えるお金も沢山ほしかった。
実際社会に出て、大人になってみた。
自分が小さいころに想像したどの職業でもなかった。今でこそ生き抜いているけれど何度か後悔した時もあった。その後悔は高専って特殊な学校に文系が得意なのに入った時に遡ることもあった。
でもそれなりに、なってきたと思う。
なんとかやってはきている。でも少し想像とは違う部分もある。
職場も学校もそうだけれど思い通りに行かないことも多いし自分はただの人手で駒であるんだなとも思う。それはいいけれどそういう扱いを受けている人間の中で精神を病んでしまう人も多い。周りの人で、そういう人が多い。
みんなそうだったんだろうか。精神を病むだ病まないだというところで戦っているんだろうか。
自分の人生ありきの仕事じゃないのか。二度くらい、そういうことを言われたことがあるけれど。
一度目は研修先の部署で仕事が終わらず残業をしている自分に派遣の女性が「若い子がこんなつまんないビルにいちゃだめだよ、遊びにでなさい」と帰らせてくれた。
二度目はこの前、もうすぐ異動する先輩に同じようなことを言われた。自分の人生あっての仕事なんだから、力を抜きつつやらないと。全力で走り続けられる人は少ないんだから、って。
そして、いま。そして、未来。自分はどうなっていくんだろう。
もうすぐ異動の話が出てくるのだろうけど今周りから言われている場所、考えられる部署では自分はどうなってしまうかわからない。
都合のいいように食いつぶされるような気がしている。心や身体を病んでしまうんじゃないか。そうならないようにしたい。
今だってそうで、理不尽だと思うことが沢山ある。本来業務に加えてデスク業務を多く振られるのだけれど、これまでは本来業務でできない分を・・・って思っていたけれど自分はそこまでできないのか?というくらい重さが増している。
わからないながらにひとつひとつこなしているものをマニュアルにしたりわかりやすくして共有するのもまた時間がかかる。でもそういった業務は本来業務ではないから時間内にするものではないらしい。ならこのデスク業務を目の前にいる人間もやればいいのにな、と思う。全員が、脳器官をもった人間がやれば私も本来の業務をこなすことができる。
そもそもできないというのは当たり前じゃないか?ほかの人間に比べて対外的な研修も出ているし別の部署も業務もしていたら本来の業務に携わる時間も少なくなっていくに決まっているんじゃないのか。それを引き合いに出してほかの人間がすごいというのは理不尽ではないのか。データの抽出のしかた次第じゃないのか。・・・なんて、愚痴を吐きたい時もあるけれどそれだけ握っているマッチの本数が多くて最近は楽しい気分になるときがある。いつでもあらゆる方法で職場を炎上させられるというのはなかなかだ。しないけれど。
一時期は異動先が最悪だったら会社を辞めてやると思っていたけれど多分これだけ年度が経っていればそれもなーって。
未来って、見えないものですね。
どんな形でも生存はしていたいです。